執筆者 大竹 文雄 (大阪大学社会経済研究所)

【転載開始】

2009年に厚生労働省が日本の相対的貧困率が
15.7%という高い水準にあることを発表した。
実は、日本の相対的貧困率が先進国の中では高い方であることは、
OECDの研究でも明らかにされている。
貧困解消手段には、景気回復による所得上昇、
所得再分配政策による低所得者の所得上昇、
低所得者に対する職業訓練による生産性上昇と並んで、
最低賃金の引き上げ政策がしばしば挙げられる。

2009年の衆議院選挙では民主党が最低賃金を
1000円に引き上げていくことを公約に戦って、
政権を取ったのはその典型である。
最低賃金の引き上げは、
少なくとも短期的には財政支出を増やさない政策であり、
財源を確保する必要がないので、政治的にも好まれる政策である。
最低賃金引き上げは、本当に貧困解消策として有効なのだろうか。

結論から述べると、
最低賃金引き上げは貧困対策としてあまり有効な手段ではない。
実証実験(2009川口・森)では、
日本において最低賃金引き上げで雇用が失われるという意味で
被害を受けてきたのは、新規学卒者、
子育てを終えて労働市場に再参入しようとしている既婚女性、
低学歴層といった現時点で生産性が低い人たちだ。

<中略>

日本において貧困対策は高齢者層に集中してきた。
高齢層の貧困率の水準は高いものの、
貧困率は公的年金の充実のおかげで大きく低下してきている。
一方かつて貧困率が低かった20歳代、30歳代の年齢層における貧困率が高まってきている。
その結果、その子供の年齢層である10歳未満層の貧困率が上昇しており、
中でも5歳未満の年齢層の貧困率が高まっている。
このような子供の貧困率の高まりは、20歳代、30歳代の雇用状況の悪化や
離婚率の高まりが影響している。
保育や教育といった現物サービスを通じて、子供に対する貧困対策をすると同時に、
若年層の雇用を促進する政策が必要とされている。
その際に、勤労所得税額控除や給付付き税額控除をとりいれていくことが
効果的だと考えられる。

【転載終了】

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今、安倍政権が「産業競争力会議や規制改革会議」を使ってやろうとしているのは、
第一次安倍内閣でできなかった「ホワイトカラー・エグゼンプション(残業代ゼロ制度)」や
解雇規制緩和・・・99%の国民をつくる、国民奴隷化=TPP。
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